口腔フローラ研究から注目される「BLIS菌」
善玉菌の比較から見える新しいオーラルケアの考え方
近年、健康研究の分野では「腸内フローラ」だけでなく、**口腔フローラ(オーラルマイクロバイオーム)**への関心も高まっています。口の中にはおよそ700種類以上の細菌が存在するといわれ、そのバランスが口腔環境に関係する可能性が研究されています。
こうした研究の中で注目されているのが、Streptococcus salivarius(ストレプトコッカス・サリバリウス)という口腔常在菌の一種「BLIS菌」です。BLIS菌はもともと口の中に存在する常在菌の一種で、口腔フローラ研究の分野で比較的よく知られている菌株として研究されています。
口内善玉菌の研究傾向比較
口内の善玉菌はいくつかありますが、結局どう違うのかを知るには、まだまだ情報が多くありません。そこで、研究報告をもとに、主な傾向をわかりやすく整理すると次のようになります。
【BLIS K12】
口臭の原因に関係するバランスや、のどの不快感に関する領域で研究されている菌
・口臭ケア:◎
・のどの不快感:◎
・虫歯リスク:○
・歯周環境:○
・免疫:◎
【BLIS M18】
虫歯や歯垢など、歯の表面環境に関する領域で研究されている菌
・口臭ケア:○
・のどの不快感:△
・虫歯リスク:◎
・歯周環境:○
・免疫:◎
【Lactobacillus reuteri】
歯周環境や免疫バランスに関する領域で研究されている菌
・口臭ケア:○
・のどの不快感:△
・虫歯リスク:△
・歯周環境:◎
・免疫:◎
【Bifidobacterium(ビフィズス菌)】
主に腸内環境や免疫バランスに関する研究が中心の菌
・口臭ケア:△
・のどの不快感:×
・虫歯リスク:△
・歯周環境:×
・免疫:◎
【Rothia】
口腔内に存在する常在菌として研究されているが、機能に関する報告は限定的
・口臭ケア:○
・のどの不快感:△
・虫歯リスク:△
・歯周環境:△
・免疫:△
【Neisseria】
口腔内に存在する常在菌として研究されているが、機能に関する報告は限定的
・口臭ケア:△
・のどの不快感:×
・虫歯リスク:×
・歯周環境:×
・免疫:△
※研究報告をもとに比較した一般的な傾向
BLIS菌の特徴
※BLIS菌は口腔常在菌であるStreptococcus salivariusの特定菌株として研究されており、機能性については現在もさらに研究が進められています。
BLIS菌の特徴は、口臭の原因に関係する菌バランスに着目した研究が多いことです。
善玉菌といえば、一般的にはビフィズス菌や乳酸菌など腸内環境に関する菌が知られています。しかしBLIS菌は、もともと口の中に存在する常在菌である点が特徴です。
代表的なBLIS菌
口腔フローラ研究の中で、特に知られている菌株は次の2つです。
BLIS K12
→ 口臭やのどの不快感に関係する領域
BLIS M18
→ 虫歯や歯垢に関係する領域
このように、同じBLIS菌でも研究されている分野に違いがあります。
口腔ケアの新しい考え方
これまでの口腔ケアは、
歯磨き
フロス
洗浄
といった「汚れを落とすケア」が中心でした。
しかし近年では、
👉 口腔内の菌バランスに着目する考え方
も注目されています。
善玉菌・中立菌・悪玉菌といったバランスを理解することが、口腔環境を考える新しい視点として研究されています。
まとめ
BLIS菌は、口腔常在菌であるStreptococcus salivarius由来の菌株として、口腔フローラ研究の分野で注目されています。
特にBLIS K12とBLIS M18は、それぞれ異なる領域で研究されている代表的な菌株です。
口腔ケアはこれまでの「清潔にするケア」に加えて、
👉 菌バランスという視点
も取り入れながら考えられるようになっています。
今後も研究が進むことで、新しいオーラルケアの理解につながる分野として注目されています。
参考文献(研究分野の例)
・Streptococcus salivariusに関する口腔細菌研究
・口腔フローラ(オーラルマイクロバイオーム)に関する研究
・プロバイオティクスと口腔環境に関する研究